世界の将棋

チャトランガ(古代インド)



盤は8×8マス。駒は各々5種8枚。
チャトランガには4人制と2人制とがあるが、現在では2人制のものがチェスなどの起源であると考えが有力である。なお画像は4人制のものである。
当初はサイコロが使用されており、出た目によって定められた列の自軍の駒を1回だけ動かすことができた。それぞれの駒の動きが個別に設定されていることと、その駒の効きにある敵駒を取れるというルールが後に原将棋へと発展したと考えられている。



駒の名称 個数 駒の動き方、特徴
ラージャ(王・手前右端) 1個 隣接するマス目に1つ動かせる。将棋の王将と同じ動き。
ハスティ(象・手前右から2つ目) 1個 斜めに2マス動かせる。間に駒があっても飛び越せる。
アシュワ(馬・手前右から3つ目) 1個 縦横に1マス進んで進行方向の斜めに1升進んだところにいける。間に駒があっても飛び越せる。将棋の八方桂・チェスのナイトと同じ動きである。
ラタ(車・手前左端) 1個 縦横に何マスでも動かせる。ただし駒を飛び越すことはできない。将棋の飛車と同じ動きである。
パダチ(歩・奥1列) 4個 前に1マス進める。将棋の歩と同じ動きである。

マークルック(タイ)



盤は8×8マス。駒は各々6種16個。
チェスに近縁のゲームの中では駒の動きが弱く、世界の将棋の原型を かなり留めていると推定される。
歩(ビア)を三段目に配置するのが特徴で、又成りも敵陣三段目で あることから日本将棋との関連が研究されている。



駒の名称 個数 駒の動き方、特徴
クン(王・手前左から4つ目) 1個 隣接するマス目に1つ動かせる。将棋の王将と同じ動き。
メット(種・手前右から4つ目) 1個 斜めに1マス動かせる。
コーン(根・手前両端から3つ目) 2個 前と斜めに1マス動かせる。将棋の銀と同じ動きである。
マー(馬・手前両端から2つ目) 2個 縦横に1マス進んで進行方向の斜めに1升進んだところにいける。間に駒があっても飛び越せる。 将棋の八方桂・チェスのナイトと同じ動きである。
ルア(船・手前両端) 2個 縦横に何マスでも動かせる。ただし駒を飛び越すことはできない。将棋の飛車と同じ動きである。
ビア(貝・奥1列) 8個 前に1マス動ける。ただし駒を取る時は斜め前に1マス動く。チェスのポーンと同じ。奥の3段以内に入るとビアガーイに成れる。
ビアガーイ(ビアの成り駒) 斜めに1マス動かせる。メットと同じ

チェス(欧米~全世界)



盤は8×8マス。駒は各々6種16個。
白黒市松模様のボードを使用し、キャスリング。アンパッサンの 特殊ルールと歩(ポーン)が敵陣最上段に侵入したとき任意の駒 に成れるのが特徴。言わずと知れた2人制対戦 式ボードゲームの王様。幾度かのルール改正をへて15世紀頃に 現行チェスが成立したとされる。



駒の名称 個数 駒の動き方、特徴
キング(K・手前中央で駒と違う色のマス) 1個 隣接するマス目に1つ動かせる。将棋の王将と同じ動き。
クイーン(Q・手前中央で駒と同じ色のマス) 1個 縦横斜めに何マスでも動かせる。ただし駒を飛び越すことはできない。将棋の飛車と角を合わせた動きである。
ビショップ(B・手前両端から3つ目) 2個 斜めに何マスでも動かせる。ただし駒を飛び越すことはできない。将棋の角と同じ動きである。
ナイト(N・手前両端から2つ目) 2個 縦横に1升進んで進行方向の斜めに1升進んだところにいける。間に駒があっても飛び越せる。 将棋の八方桂と同じ動きである。
ルーク(R・手前両端) 2個 縦横に何マスでも動かせる。ただし駒を飛び越すことはできない。将棋の飛車と同じ動きである。
ポーン(P・奥1列) 8個 前に1マス動ける。ただし駒を取る時は斜め前に1マス動く。

シャンチー(中国)



縦9本、横10本の線が引かれた盤を使用する。駒は各々7種16個(紅方・先手と黒方・後手で名称が異なる)。
交点上に駒を配置する。下段中央に九宮(斜線のある9路)があり師、将及び仕、士はここから出られない。 中央に河界がありこれを渡れない駒(相、象)がある。将と帥を直接相対させてはいけない。 すなわち将と帥が同じ列で、その間に他の駒が一つもないような状態にするような手は指すことが出来ない。などの特徴を持つ。



駒の名称(紅方・黒方) 個数 駒の動き方、特徴
帥・将(手前中央) 1個 前後左右に1マス動かせる。ただし九宮から出ることはできない。
仕・士(手前両端から4つ目) 2個 斜めに1マス動かせる。ただし九宮からでることはできない。
相・象(手前両端から3つ目) 2個 斜めに2マス動かせる。ただし駒を飛び越すことはできない。また河界を越えることができない。
・馬(手前両端から2つ目) 2個 縦横に1マス進んで進行方向の斜めに1マス進んだところにいける。前後左右に駒があるとその方向には飛び越せない。動きは将棋の八方桂・チェスのナイトである。
俥・車(手前両端) 2個 縦横に何マスでも動かせる。ただし駒を飛び越すことはできない。将棋の飛車と同じ動きである。
炮・砲(手前から3段目両端から2つ目) 2個 動きは俥・車と同じ。ただし駒を取るときは取る駒との間に1つだけ駒(敵味方を問わず)が必要。
兵・卒(手前から4段目奇数列) 5個 前に1マス動ける。ただし河界を渡って敵陣に入ると、横にも1マス動けるようになる。

チャンギ(韓国・北朝鮮)



縦9本、横10本の線が引かれた盤を使用する。駒は各々7種16個(漢方・先手と楚方・後手で名称・字体が異なる)。
駒を交点に置くことや、斜め線の入っている九路を宮といい、楚・漢・士は宮から出られないところなどは中国の象棋に似ているが、 中央に河界が無く、また駒の動き方も馬以外は違っている。さらにパスも認められ、 双方がパスした場合は引き分けとなる。また漢と楚が同じ縦線上に並び、間に駒がない状態を相手が解消しなければ引き分けとなる。



駒の名称(漢方・楚方) 個数 駒の動き方、特徴
漢・楚(手前から2段目中央) 1個 縦横斜めに1マス動かせる。ただし九宮から出ることはできない。
士(手前両端から4つ目) 2個 縦横斜めに1マス動かせる。ただし九宮からでることはできない。
象(手前両端から3つ目) 2個 縦横に一路進んでから斜めに二路進む動きをする。ただし駒を飛び越すことはできない。また初期配置で馬象と置くか、象馬と置くかを左右それぞれに選択できる。
馬(手前両端から2つ目) 2個 縦横に1マス進んで進行方向の斜めに1マス進んだところにいける。前後左右に駒があるとその方向には飛び越せない。動きは将棋の八方桂・チェスのナイトである。
車(手前両端) 2個 縦横に何マスでも動かせる。ただし駒を飛び越すことはできない。宮の中では斜めの線に沿って進むことができる。 将棋の飛車と同じ動きである。
包(手前から3段目両端から2つ目) 2個 動きは車と同じ。ただし動くときは常に間に1つだけ駒(敵味方を問わず)が必要。包で包を飛び越したり、包で包を取ることはできない。
兵・卒(手前から4段目奇数列) 5個 前と横に1マス動ける。宮では斜め前方にも進める。

シャタル(モンゴル)



盤は8×8マス。駒は各々6種16個。
元来は独自のルールがあったようであるが、現在ではチェスと同じ動かし方になっている。ここでは駒の紹介にとどめる。



駒の名称 個数
ノヨン(王) 1個
ベルス(想像上の動物でライオンに似ている) 1個
テメー(ラクダ) 2個
モリ(馬) 2個
テリッグ(車) 2個
ノホエ(犬) 2個